厚労省や労基署のご担当の方が「取下げ」を促してきても、アスベスト被害給付金の申請をあきらめないでください!
取下げるとデメリットがあります !
「厚労省や労基署のご担当の方から『申請の取下げ』を勧められました。父の元同僚にアスベストばく露の証明をしてもらおうと探したり、父が使っていたタンス、押し入れ、倉庫の中などアスベストばく露に関する証拠として考えられるものを一通り調べたのですが厚労省や労基署が求める資料がありませんでした。そのことを説明したら、『では、認定されなさそうなので、取下げしてはどうですか?』と取下げを勧められました。こういう時は、『取下げ』しないとダメですか?」といったような取下げ」に関するご相談をいただくことがあります。
結論としては、「取下げ」を求められてもあきらめず、「『申請に対する正式な決定』をしてください。」ときっぱりと回答なさるのをオススメします。理由は次のとおりです。
申請者側には取下げるメリットがない
申請者側には、取下げをするメリットがないばかりでなく、むしろデメリットもあります。
まず、知っておきたいのは、
- 「取下げ」をしなければいけない法的な理由がない
- 「取下げ」をすると、なぜ認定されないのかの理由がわからない。
ということです。
1.「取下げ」をしなければいけない法的な理由がない
アスベスト被害給付金の申請書を受け取った厚労省などは、申請を認める・認めないといった申請に対する決定を遅滞なく行うことが法律で定められています(行政手続法第7条)。
役所は申請に対して決定をする義務がありますが、「取下げ」を促されたときに、申請者が「取下げ」に応じる義務は定められていません。
2.申請を取下げないで正式に決定してもらうことで理由がはっきりする
厚労省などの行政庁が「認める」、「認めない」といった処分をするときは、その理由を明記することが定められています(行政手続法第8条)。取下げてしまうと、その理由を文書で知ることができません。
厚労省や労基署から申請の「取下げ」を求められても、決してあきらめないでください。しかし、「取下げ」を促されるということは、大なり小なり申請が認められないハードルがあるということでもあるので、何も変えずに申請を維持しても認められる可能性は低いことは事実です。
そのため、もし「取下げ」を求められたら、アスベスト案件に詳しい専門家に直ぐに相談することをオススメいたします。