アスベストは、飛散すると空気中に浮遊しやすく、人が飛散したアスベストを吸い込んでしまうと、肺胞に沈着しやすいという特徴があります。
吸い込んだアスベストの一部が、肺の組織内にとどまり、アスベストの繊維が肺の内側に刺ささることで炎症がおこります。その結果、肺の線維化や肺がん、悪性中皮腫などの病気をもたらすリスクが上昇することが判明しています。
保証金の対象となる関連疾患
中皮腫とは?
肺を取り囲む胸膜や肝臓、胃などの周囲にある腹膜、心臓を覆う心膜、精巣鞘膜にできる悪性腫瘍のことをいいます。
中皮腫は、胸膜に発症することが最も多く、腹膜が次いで多いとされています。
中皮腫は、胸膜に発症することが最も多く、腹膜が次いで多いとされています。
胸膜中皮腫では、息切れ、胸痛そのほか、咳、発熱、全身倦怠感、体重減少などもみられますが、これらは中皮腫に特徴的な症状とはいえず、早期発見が難しい病気です。症状がなく胸部エックス線検査で胸水貯留を偶然発見されることもあります。
胸膜中皮腫の原因の多くはアスベストの吸引とされており、発生の危険度はアスベストの吸引量が多いほど高くなります。
腹膜中皮腫では、腹痛、腹部膨満感、腹水貯留などがみられます。
01.アスベストとは
アスベストとは、鉱物繊維の石綿(いしわた・せきめん などと呼ばれています)のことを指します。アスベストは、髪の毛の5000分の1という非常に細い繊維でできているにも関わらず、熱や摩擦に強く、耐火性や防音制に優れ、酸やアルカリに強いということから、以前は、広く建材として使用されていました。
主なアスベストの用途としては、
- 断熱材
- 吹き付け材
- スレート材(屋根材)
- シール断熱材
- 自動車のブレーキ部品
- 煙突や排気管
- 上下水道用高圧缶
- タンクやパイプラインの継ぎ目
などになります。それ以外にも広く様々な用途で使用されてきました。
02.アスベストによる健康被害のメカニズム
アスベストは、飛散すると空気中に浮遊しやすく、人が飛散したアスベストを吸い込んでしまうと、肺胞に沈着しやすいという特徴があります。
吸い込んだアスベストの一部が、肺の組織内にとどまり、アスベストの繊維が肺の内側に刺ささることで炎症がおこります。その結果、肺の線維化や肺がん、悪性中皮腫などの病気をもたらすリスクが上昇することが判明しています。一般的には、アスベストを吸い込んでから、30年から50年という潜伏期間を経て発症します。
03.アスベストによる健康被害の疾患や症状
アスベストによる健康被害は、中皮腫、肺がん(原発性肺がん)、石綿肺及びびまん性胸膜肥厚です。
これらの疾病は、アスベスト被害賠償金の対象となっています。