アスベスト被害給付金の申請が認められるためには、公表されている認定基準に適合するように診断書やカルテなどの医学的資料を集め、申請書を書き、該当の審査機関に提出する必要があります。このコラムでは、アスベスト被害給付金の請求に強い弁護士とその選び方について解説します。
アスベスト被害給付金の申請と弁護士の関わり
アスベスト被害給付金の審査は、書類審査です。アスベスト被害者が証拠資料を集め、それを該当の審査機関に申請します。多忙な審査担当者が、病院に足を運び証拠収集をしてくれることは、ほとんどありません。
アスベスト被害給付金の申請は、被害者本人やご遺族の方で行なうことができます。しかし、現実問題として、申請を途中で諦める方も少なからずいらっしゃいます。なぜならば、体調が悪い中で、診断書を受け取るためだけに病院に足を運んだり、細かい書類に目を通して申請書を書いたり、勤務歴の証明書発行を元勤務先に依頼したりとなにかと手続きが煩雑で時間もかかるためです。
アスベスト被害給付金の申請に強い弁護士にアスベスト給付金の申請を依頼することで、これらの煩わしさから解放されます。
ではどのような弁護士が「アスベスト被害給付金の申請に強い」のでしょうか。
1.医療記録の収集に強い弁護士
アスベスト被害給付金の申請にあたり、どの診療科に、どのようなカルテや診断書、胸部CTなどの医療記録があるかを知っていることが重要です。
医療記録の収集に強い(知識やノウハウがある)ことは、医療や医学に強いと判断する一つの材料になります。
医学や医療に強い弁護士であれば、どの病院、どの診療科に連絡をして、どのような手続きをすれば、確実に、そしてスピーディーに開示をしてくれるか(開示方法)を知っているので、アスベスト被害給付金の申請書類の収集をスピーディーに、無駄なく行なうことができます。
2.医療記録の読み取り・分析に強い弁護士
収集したカルテ、診断書、胸部CTなどを右から左で審査機関に提出するのではなく、読み取ることができるかどうかも重要です。
医療記録の読み取りは、1日や2日で習得することはできません。相当な訓練や勉強に加えて、実際に多くの読み取りを経験も求められます。
胸部CTを読み込んで、「ここに胸膜プラークがある」「胸膜の肥厚が側胸壁の1/2以上に及んでいるから、びまん性胸膜肥厚といえる」など、給付金の認定基準・疾病の診断基準・診療ガイドラインなどに基づき、カルテや胸部CTを的確に読み取ることができれば、アスベスト被害給付金の受給の確度を上げることができます。
アスベスト被害給付金の申請にあたり、万が一、診断書に不適切な記述や記述不足があれば、医師に訂正の依頼をすることもできますし、画像が不鮮明であれば、再撮影を依頼することもできます。
3.アスベスト被害者や医師への説明ができる弁護士
医療記録の読み取りができることで、弁護士からアスベスト被害者の方へ、医療記録の内容や専門医の発言を「要はこういうことなんです」「ポイントはこれです」と分かりやすく説明することができます。
他方で、医師への説明や診断書等の修正依頼にあたっても、医療記録の読み取りができることは有用です。医療や医学的知識があることで、医師と対等に会話することができ、「診断書にはこのように書いてありますが、画像はこのようになっています」「カルテのここに書いてある◯◯をより詳しく診断書に書いてください」などとポイントをついて医学的資料の作成依頼などをすることができます。
4.認定基準を熟知している弁護士
アスベスト被害給付金の認定基準は、ホームページ等で公開されています。しかし、医学的な知見に基づき策定されているため、専門用語のオンパレードですから、言葉の意味や定義を勉強して、きちんと理解している必要があります。医学や医療に強い弁護士であれば、専門医学的知見に基づいて策定されている給付金の認定基準を深く理解しています。
すでにお伝えした医療記録の収集や読み取りとあいまって、認定基準を熟知していることで、審査機関に対して、より説得力のある資料の提出や説明を行ない、審査機関の審査の手間や時間を省き、認定が出るまでの時間を短くすることも可能です。
アスベスト被害給付金と弁護士の選び方
アスベスト被害給付金は、①医療記録の収集、②医療記録の読み取り・分析、③被害者や医師への説明、④専門医学的知見に基づき策定された給付金の認定基準の深い理解など、幅広くかつ深い医療や医学的な知識が求められます。弁護士を選ぶ際も、①②③④ができることがひとつの基準になります。
弁護士法人シーライトは、創業以来1000件を超える交通事故被害者の自賠責申請などに携わり、医療・医学的な知識やノウハウが豊富にあります。複数の医療機関の情報も持ち合わせています。
また、弁護士法人シーライトの弁護士は、弁護士向けにアスベスト被害給付金セミナーの講師を務めたり、給付金申請に有用なツールを公開するなど、アスベスト給付金申請実務の第一線で活動しています。
おわりに
アスベスト被害給付金の申請をスピーディーに確実に行なうには、医療や医学の知識が求められます。医療や医学に強い(ノウハウや知識をもった)弁護士に依頼することで、公表されている認定基準に適合するように、診断書やカルテなどの医学的資料を集め、申請書を書き、該当の審査機関に提出することが可能となります。
弁護士法人シーライトでは、アスベスト給付金申請を専門的に取り扱う法律事務所として、アスベスト被害者の方から「弁護士との15分無料電話相談」を承っています。お気軽にお電話ください。
この記事の監修弁護士
弁護士法人シーライト
副代表弁護士 小林 玲生起
神奈川県弁護士会所属。藤沢生まれ、藤沢育ち。アスベスト給付金申請の代理業務については弁護士向け教材の講師を務めるなど、詳しい知識を持つ。