お勤め先が「勤務歴証明」を書いてくれればいいのですが、廃業などでなかなかそうもいかないこともあります。
実際にいただく相談として「アスベストを扱った作業をしていて、石綿肺になってしまいました。でも、勤務先がつぶれちゃったんです。勤務歴の資料もないだろうし、給付金は申請できないですよね」など、勤務先の倒産、廃業、解散、合併などにより、勤務歴証明をご勤務先から取り付けることができないときもあります。
ご勤務先が存在しないと申請ができないのでしょうか?
結論からいうと、万が一、勤務先が倒産・廃業などにより現時点で存在しなくても申請はできます。ただし、勤務していたことを証明する書類などが必要となります。これらの書類を、申請に慣れていない一般の方が用意するのは大変です。
- 年金の被保険者記録照会回答票の取得
- ご本人の年金記録を「ねんきんネット」で確認する方法
- ご本人・ご家族が年金事務所の窓口で「被保険者記録照会回答票」の開示請求をする方法
- ご本人が電話で「被保険者記録照会回答票」の郵送送付を依頼する方法
実際に当事務所が対応した事例ですが、30年以上前に勤務していたアスベスト取扱い工場が現在は閉鎖してしまいました。この事例では、年金の被保険者記録照会回答票、工場の不動産登記簿謄本などを調べて労基署に申請し、無事に労災保険が認定されました。
アスベスト被害給付金の申請では、元勤務先からの就労証明の取り付け、法人や不動産の閉鎖登記簿謄本の取り付けなどが必要になることがあります。これについては、法的知識のない一般の方自身で取り付けるのは、非常に大変であり、しかも、上手くいかないことも多々あります。
これらのことで1人で悩まずに、専門家に早期に相談する方がよいでしょう。確かに煩わしいのですが、ご自身の判断で「ダメだろう」と諦めずに、弁護士法人シーライトまでお気軽にお電話ください。
この記事の監修弁護士
弁護士法人シーライト
副代表弁護士 小林 玲生起
神奈川県弁護士会所属。藤沢生まれ、藤沢育ち。アスベスト給付金申請の代理業務については弁護士向け教材の講師を務めるなど、詳しい知識を持つ。