テレビのニュース、新聞報道、タレントの草彅剛さんが出演したテレビCMなどの影響で「アスベスト」という言葉は、すっかり定着した感があります。でもお子様から「アスベストって何?」と改めて聞かれると、うまく説明できる人は少ないように思います。このコラムでは、アスベストの語源にさかのぼって、アスベストについてお伝えします。
2005年にクボタショックがあり「あの小学校でもアスベストが使われていた」など、日本全体で「アスベスト」が社会問題になりました。クボタショックの翌2006年に、正しい理解を深めてほしいと国立科学博物館が「石綿<アスベスト>展」を開催しました。
アスベストそのものは、鉱物です。鉱物をわかりやすくいうと「石」です。
石にも名前の由来や意味があります。国立科学博物館のホームページには、アスベストの語源について「『アスベスト(asbestos)』は『永久不滅』という意味のギリシャ語に由来して」と紹介されていました。
では、なぜ永久不滅なのでしょうか。石は腐食や難燃、劣化しにくい永久不滅の物質のイメージがありますね。記念碑、お墓も石ですし、ピラミッドが数千年経っても残っているのは、劣化しにくい石を使っているからです。
糸を撚る(よる)ように、石も線維化して撚ることができれば、もともと石ですので、燃えにくく、摩擦につよく、酸やアルカリに対して腐食しにくい(耐薬品性)ことは間違いありません。しかも、安価に採掘できれば、経済的なメリットもあります。そのような「奇跡の鉱物」がアスベストでした。
アスベストは、規制されるまでは、防火性が求められる建築素材をはじめとして、さまざまな場面で用いられました。しかし、その利便性という「光」の反面、数十年後に中皮腫や肺がんなどの健康被害という「闇」の部分を社会にもたらすことになってしまいました。
アスベストの健康被害でお困りの方は、アスベスト被害給付金の申請に詳しい弁護士法人シーライトの弁護士にお気軽にご相談ください。
この記事の監修弁護士
弁護士法人シーライト
副代表弁護士 小林 玲生起
神奈川県弁護士会所属。藤沢生まれ、藤沢育ち。アスベスト給付金申請の代理業務については弁護士向け教材の講師を務めるなど、詳しい知識を持つ。