アスベスト(石綿)に関連する健康手帳には、よく似た名前のものがいくつかあります。たとえば「石綿健康管理手帳」や「じん肺健康管理手帳」といったものです。これらは、表紙が黄色であることから、「黄色い手帳」と呼ばれることもあります。
これらの手帳は、労働安全衛生法に基づいて、アスベストを含む有害物質などにばく露する業務に従事していた方に対して、都道府県労働局長が交付するものです(関係法令:労働安全衛生法67条、施行令23条、規則53条)。
実際に、アスベスト関連業務に従事していた方が、退職時や退職後に申請して交付を受けているケースも少なくありません。
健康診断の機会にもつながります
- 石綿健康管理手帳をお持ちの方は、年に2回、指定された医療機関で健康診断(石綿健康診断)を受けることができます。
- じん肺健康管理手帳の場合は、年に1回の健康診断の対象となります。
手帳には、診断結果や医師の所見が記録されるため、胸膜プラークの有無や、胸膜肥厚の程度などが記載されていることもあります。
手帳に記載された職歴も重要な手がかりに
手帳の2ページ目には、次のような職歴に関する記載欄があります。
- 石綿健康管理手帳:「従事した業務」
- じん肺健康管理手帳:「従事した粉じんに係る業務」
これらの欄には、申請者がどのような業務に従事していたかが書かれており、アスベストばく露の状況を確認する際に、大切な情報源となります。相談時のヒアリングでも、これらの記載内容が役立つことがありますので、ご相談の際は、是非手帳をご持参ください。
