建設会社やアスベスト製品製造工場の従業員の方は労災が使えるのですが、個人事業主の一人親方や中小建設会社の現場に出る社長さんは労災が使えません(特別に労災に加入していれば別です)。
しかし、実際には、労働者の人と働き方は一緒です。労働者か否かにかかわらず、建設業務でアスベスト被害に遭った人を広く救済しようとする趣旨で2022年に創設されたのが建設アスベスト給付金です。これは、最高裁令和3年5月17日判決民集75巻5号1359頁(いわゆる「建設アスベスト神奈川訴訟」)が、元になっています。
建設アスベスト給付金の被害者向けの給付内容
対象疾病などの要件 | 給付内容 |
【被害者】 ・労働者や一人親方 ・中小事業主(家族従事者等を含む)であること | 【ご存命】 ・石綿肺管理2でじん肺法所定の合併症なし 550万円 ・石綿肺管理2でじん肺法所定の合併症あり 700万円 ・石綿肺管理3でじん肺法所定の合併症なし 800万円 ・石綿肺管理3でじん肺法所定の合併症あり 950万円 ・中皮腫、肺がん、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚、石綿肺管理、良性石綿胸水である方 1150万円 ※金額は支給額の最大値です。喫煙習慣その他減額事由があります。 |
【作業内容】 ・昭和47年10月~昭和50年9月にアスベストの吹き付け作業をしていた方 ・昭和50年10月~平成16年9月に一定の屋内作業場で行なわれた建設作業をしていた方 | |
【対象疾病】 1.中皮腫 2.原発性肺がん 3.著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚 4.石綿肺(じん肺管理区分が管理2~4) 5.良性石綿胸水 |
給付内容は、症状により異なります。弁護士法人シーライトでは、15分無料電話相談も行なっております。まずはお気軽にお電話ください。
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この記事の監修弁護士
弁護士法人シーライト
副代表弁護士 小林 玲生起
神奈川県弁護士会所属。藤沢生まれ、藤沢育ち。アスベスト給付金申請の代理業務については弁護士向け教材の講師を務めるなど、詳しい知識を持つ。