タイル工である一人親方の事例

職業/業務内容	タイル工
症状	間質性肺炎
現在の状況	治療中
年齢	60代
勤務形態	一人親方
ばく露時期	昭和40年（1965年）代～
ばく露年数	約50年
ばく露した状況	作業場である競馬場や競輪場の建物の鉄骨には、アスベストが吹き付けられてむき出しになっており、アスベストが舞う中で作業を行っていたため、アスベストにばく露。
申請をお勧めした給付金制度	①労災保険 ②石綿健康被害救済制度
ご相談者	ご本人

①ご相談内容

被災者は、長年、タイル工として、競馬場や競輪場などの床にタイルを張り付け、表面を仕上げる作業に従事していました。病院でCTを撮影した際にたまたま肺が写っており、医師から、「アスベストの疑いがある。大きい病院で診てもらった方がよい。」と言われ、給付金の対象になるかを確認したい、とのご相談でした。

②弁護士からのアドバイス等

1．労災保険

労災保険とは、労働者災害補償保険のことで、その名のとおり、労働者を対象とした保険制度です。そのため、基本的には、法人役員・一人親方・個人事業主などは、労災保険の対象外です。しかし、特別加入制度に加入している場合には、労災保険の対象となります。
特別加入していた期間にも業務でアスベストにばく露したことから、労災保険の申請をアドバイスしました。

2．石綿健康被害救済制度

石綿健康被害救済制度は、労災保険とは別の制度です。そのため、「①労災保険では認定されなかったが、②石綿健康被害救済制度は利用できる」（またはその逆）もあり得るところです。
また、労災保険と石綿健康被害救済制度は、どちらか一方からしか給付を受けることができません。しかし、申請自体は、同時にすることができます。

どちらの制度も結果が出るまで時間がかかりますので、上記①および②を同時に申請することをお勧めしました。

③所感・まとめ

建設業を中心として、個人事業主の方、一人親方の方、法人役員の方からは、しばしば、本件のようなご相談をいただくことがあります。ご相談者は、労災保険の特別加入制度に加入していたため、労災保険の申請をアドバイスできました。仮に、特別加入制度に加入していなかったとしても、石綿健康被害救済制度を利用できる可能性があります。

労災が認められるか分からないとお悩みの方は、まずは専門家へご相談なさることをお勧めします。