塗装工に従事しアスベストにばく露した事例

職業/業務内容	塗装業
症状	慢性閉塞性肺疾患、びまん性胸膜肥厚の疑い
現在の状況	治療中
年齢	80代
勤務形態	労働者
ばく露時期	昭和40年（1965年）代～昭和50年（1975年）代
ばく露年数	約7年
ばく露した状況	被災者は、塗装業に従事。塗装の対象である鉄骨やエレベーターには、アスベストを含む耐火被覆材が使われており、ペンキを塗る際に耐火被覆材をはがそうとして、アスベストにばく露。
申請をお勧めした給付金制度	①労災保険
ご相談者	ご本人

①ご相談内容

以前から肺の症状があり、病院で「胸膜プラークがある」と説明があったとのご相談でした。ご相談のきっかけとして、当事務所が2022年11月28日～30日にかけて開催した電話相談会の新聞折込チラシを見て、お問い合わせいただきました。

②弁護士からのアドバイス等

1．アスベスト被害者への救済制度の説明

アスベスト被害者の方は、①労災保険、②石綿健康被害救済制度、③建設アスベスト被害救済制度を利用できる可能性があります。 被災者は、石綿健康管理手帳の交付を受けており、業務によりアスベストにばく露した可能性がありました。そこで、①労災保険の申請をアドバイスしました。

各制度の詳しい内容につきましては、下記をご覧ください。

• アスベスト被害給付金っていくつもあるの？

2．業務によりアスベストにばく露したことの証明とは？

労災保険を申請するには、業務によりアスベストにばく露したことを証明する必要があります。具体的には、勤務先や同僚に協力いただく、業務に関する資料を探すといった対応が必要です。

今回ご相談いただいた被災者は、石綿健康管理手帳の交付を受けていました。アスベストばく露に関する記載があり、業務によりアスベストにばく露したという資料がすでにある状況でした。

③所感・まとめ

業務によりアスベストにばく露し、今も肺の症状に苦しんでいる方からのご相談でした。「当時の勤務先はもうなくなっているかも」とのお話がありましたが、勤務先の協力が得られない場合であっても、当時の資料があれば業務によりアスベストにばく露したことを証明できるケースがあります。当時の勤務先がなくなっていても、まずはご相談ください。