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解体工被害の遺族補償給付の時効直前の事例

とび職イメージ
職業/業務内容大工・とび職・解体工/建設現場での建築作業、解体作業
症状肺がん
現在の状況故人
年齢70代
勤務形態日雇い的な働き方
ばく露時期1960年(昭和30年)代~1980年(昭和50年)代
ばく露年数30年以上
ばく露した状況大工・とび職・解体工としてアスベスト粉じんの舞う建設現場・解体現場に従事したことによって、アスベストにばく露
申請をお勧めした給付金制度①労災保険
③建設アスベスト被害救済制度
ご相談者被災者の子

①ご相談内容

被災者は、1960年代~1980年代まで30年以上、建設現場で大工・とび職や、解体現場で解体工として労働していました。解体した建物にアスベストが使われており、粉塵を吸い込みアスベストにばく露してしまったとのことでした。
被災者が亡くなった後に、被災者の息子さんがインターネットで当事務所のホームページをご覧になり、アスベスト被害のことを知り、連絡をしてくださいました。

②弁護士からのアドバイス等

1.アスベスト被害者の救済制度のご説明

まず、アスベスト被害者救済制度について、大きく3つの制度があります。今回のご相談のケースでは、①労災保険、②石綿健康被害救済制度、③建設アスベスト被害救済制度の全ての申請が認定される可能性があることを、それぞれの制度と当事務所の料金とを併せて説明しました。詳しくは、下記をご覧ください。

2.労災保険受給のため労働者性についてアドバイス

労災保険について、労働者性が認められるかが大きなポイントとなります。
特に建設業の場合、「労働者」としてではなく外注として雇っていたり、日雇い的な働き方のため労働者性が曖昧になっていたりしていることが往々にしてあります。また、労働者であることの立証には厚生年金の加入記録が重要な証拠になります。

残念ながら本件の被災者の方は、昔の建設業でよくあったように、厚生年金に加入しておらず、これによる労働者性の立証もできませんでした。
しかし、被災者がお勤めしていた事業主の奥様がまだご存命であり、しかも相談者の近くに住んでいらっしゃるとのことだったので、その方に連絡して、労働者として雇っていた旨の証言をしてもらうようアドバイスいたしました。

3.被災者の医療記録を確保することの重要性、遺族補償給付の消滅時効前の労災保険申請をアドバイス

本件は、既に被災者がお亡くなりになってから、4年半以上経過していました。医療記録(カルテや医療画像など)は、最終入通院から5年までは病院側に保管義務があります(医師法24条2項)。しかし、裏を返せば、それ以降は、時間が経てば経つほど廃棄される可能性が高まってしまいます。
そこで、早めに医療記録の開示申請をして、医療記録の確保に努めることをアドバイスしました。また、労災保険の遺族補償給付は、亡くなってから5年が消滅時効です。それ以降は、権利が消滅してしまいます。そこで、とにかく内容等が整っていなくても、請求書だけは労基署に提出してしまうことをアドバイスいたしました。

③所感・まとめ

本件は「上記2・3のことをご自身で行うことは、難しい」とのことで、労災保険申請のご依頼をお受けいたしました。
やはり、専門家でない一般の方が初めての手続きを間違えなく、スムーズに行うことは困難ですし、精神的負担もかかります。
そこで、アスベスト被害に遭われた方、アスベスト被害でお亡くなりになったご家族の方は、アスベスト給付金申請の専門家に早めにご相談・ご依頼することをおすすめいたします。

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