職業 | 造船工 |
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勤務形態 | 正社員 |
現在の状況 | 故人 |
年齢 | 80代 |
病名 | 石綿肺、間質性肺炎 |
喫煙歴 | 喫煙習慣あり(20年以上) |
ばく露時期 | 昭和32年(1957年)~昭和62年(1987年)頃 |
ばく露年数 | 約30年 |
ばく露した状況 | 造船工として長年造船工場で働いていた。造船作業・解体作業・修繕作業の際に、アスベスト仕様の布・シート・ボード類の開放・復旧等の作業によって、アスベストにばく露した。 |
ばく露場所 | 東静岡県清水市 |
申請した給付金制度 | 労災保険 |
受給内容 | 【労災保険】 ・約2400万円 ・葬祭料約80万円 ・遺族補償一時金約1350万円 ・定額特支金300万円 ・特別一時金約80万円 ・未支給の休業補償給付約600万円 |
ご依頼から受給までの期間 | 約1年2ヶ月 |
申請から受給までの期間 | 約1年 |
最初にお問合せいただいた方 | 子 |
ご依頼いただいた経緯
亡くなったお父様が、生前、アスベストの話や同僚が給付金を貰った話をしていたとのことで、当事務所にお問合せくださいました。
闘病中や介護中は日々に追われて給付金などについて調べたり申請したりできないままになっていたそうですが、もし対象となる給付金があるなら申請したいとのことでした。 弁護士がお話を伺った結果、お父様は大手の造船工場に長年お勤めで、同僚の方も労災認定されているとのことでしたので、まずは労災への申請をお勧めし、ご依頼いただくこととなりました。
弁護士のコメント
本件では、死亡診断書には「間質性肺炎」「アスベスト肺の疑い」とのみ診断されており、アスベスト給付金の対象疾病である「中皮腫」「肺がん」「著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚」「石綿肺」「良性石綿胸水」の診断はされていませんでした。
しかし、カルテを精査したところ、複数の病院に「石綿肺」と診断されていることが発見されました。
また、弊所にて胸部CTを読影したところ、アスベストばく露の決定的な証拠である胸膜プラークが明らかに認められました。さらに、病院のCT検査報告書にも「石綿性胸膜斑」「アスベストによる胸膜プラーク」「石灰化を伴う胸膜肥厚」と診断されていることが発見されました。
加えて、石綿肺では、認定要件や休業補償給付の支給始期との関係から「いつ頃から著しい呼吸機能(肺機能)障害が生じていたか」が重要です。これについても、被災者が呼吸苦を訴えていた時期・慢性呼吸不全の治療を開始した時期・酸素療法が開始されていた時期などを精査して、被災者に最も有利と思われる著しい呼吸機能(肺機能)障害が生じた時期を特定しました。
そうして、可能な限り早い時期に石綿肺が認定されるべく旨をまとめた意見書を医療記録の裏付けともに労基署へ提出する弁護活動を行いました。
これらが功を奏し、ほぼ当方の主張が認められ、手厚い労災保険金を獲得することができたものと自負しております。 石綿肺やびまん性胸膜肥厚などのアスベスト関連疾患は、確定診断が非常に難しいため、「間質性肺炎」「胸膜炎」などと診断され、アスベスト関連疾患かどうか曖昧なまま治療が進んでいくケースは、散見されます。そういう場合であっても、建設関係・造船関係などに長年従事していた方はアスベストにばく露していたことが明らかですので、給付金認定を目指して、早めに弁護士にお問合せ頂くのがよいでしょう。