| 職業/業務内容 | 左官工 |
|---|---|
| 症状 | 肺がん |
| 現在の状況 | 故人 |
| 年齢 | 80代 |
| 勤務形態 | 正社員 |
| ばく露時期 | 昭和44年(1969年)代~平成30年(2018年)代 |
| ばく露年数 | 約50年 |
| ばく露した状況 | 左官工として従事しており、周囲でアスベスト吹付けやアスベスト含有建材の加工作業等が行われており、それによってアスベストにばく露した。また、左官作業に用いる下地材や塗材にアスベストが含有されており、それを取扱うことによりばく露した。 |
| 申請をお勧めした給付金制度 | ① 労災保険 ② 石綿健康被害救済制度 ③ 建設アスベスト給付金制度 |
| ご相談者 | 被災者の子 |
① ご相談内容
肺がんでお父様を亡くされたご家族からのご相談です。
お父様は長年、左官工として建設現場で働いており、その作業の中でアスベストにばく露したことが明確でした。それにあたって、アスベストの給付金を申請したいということでご相談をいただきました。
② 弁護士からのアドバイス
アスベスト給付金の申請においては、労災保険の認定を目指すことが最優先になります。
本件では、被害者の方の働き方が問題となりました。具体的には、個人事業主の元でまず左官をやり、そしてその個人事業主が法人成りして、その後も同じ所で働いていたという状況でした。しかし、建設業でよくあるように、実質的には雇用されているにも関わらず、下請けや業務委託のように取り扱われていることがよくあり、労働者性の立証ができるかどうかがポイントでした。
さらに本件では、給与明細や左官の資格証のようなものがなく、左官工として働いていたことの裏付けをどのようにするかが問題となりました。これについては、現場で撮ったスナップ写真や、社員旅行の写真などで立証できた実績があったため、それを用いて労災保険の申請を目指すようアドバイスをしたところ、ご自身では難しそうということで、ご依頼をいただきました。
③ 所感・まとめ
昔の建設業のあるあるですが、雇用形態や働き方が曖昧であることが多く、雇われのような働き方をしていながら給与明細や源泉徴収がなかったり、「下請け」として取り扱われていたことがよくあります。
労災保険が認定されるためには、アスベストにばく露した期間が労働者であったことの立証が必要です。通常これらは、給与明細や雇用契約書等で行うことができますが、何十年も昔のことで、これらが困難であることが多いです。
本件でもそのようなケースでしたが、現場写真や社員旅行の写真、会社の上司等からの年賀状等を駆使して、労働者であったと立証した実例が当事務所では多くあります。
昔のことで資料が何もないからと諦めずに、思わぬものが証拠として使えることがありますので、アスベスト被害に遭われた方は、お早めに弁護士にご相談ください。
この記事の監修弁護士

弁護士法人シーライト 副代表弁護士
小林 玲生起
神奈川県弁護士会所属。藤沢生まれ、藤沢育ち。アスベスト給付金申請の代理業務については弁護士向け教材の講師を務めるなど、詳しい知識を持つ。

弁護士法人シーライト 副代表弁護士
小林 玲生起
神奈川県弁護士会所属。藤沢生まれ、藤沢育ち。アスベスト給付金申請の代理業務については弁護士向け教材の講師を務めるなど、詳しい知識を持つ。

