大工・左官・電気工事士など、建設業に従事していた方がアスベスト(石綿)による病気と診断された場合のための「建設アスベスト給付金」という制度があります。
この制度の大きな特徴は、労災保険と違って「労働者」だけが対象ではないことです。一人親方や、現場に出ていた中小企業の社長さんも対象になり得ます。この記事では、次の3点を解説します。
- どんな仕事・どんな方・どんな時期が対象か
- 給付金額(550万〜1300万円)と注意点
- 労災保険・石綿健康被害救済制度との関係(併給できます)
建設アスベスト給付金とは
建設業に従事していた方のための給付金制度
建設アスベスト給付金は、その名のとおり、建設業に就いていた方を対象とした給付金制度です。建設の仕事のなかでアスベストにばく露し、対象の病気にかかった方に、病態に応じた給付金が支給されます。
「労働者」だけでなく、一人親方や中小事業主も対象
この制度の一番のポイントは、労災保険と違って「労働者」だけが対象ではないことです。労働者ももちろん対象ですが、それに加えて、一人親方や、一定規模以下の中小事業主・法人代表者も対象に含まれます。
「雇われていたわけではないから」と諦めていた方も、建設業務に従事していたのであれば、対象になる可能性があります。
対象となる時期と作業
対象となる時期と作業は、次の2区分に整理されています。
石綿の吹付け作業|1972年10月〜1975年9月
石綿の吹付け作業に係る建設業務をしていた方は、1972年10月から1975年9月までの約3年間が対象です。
一定の屋内作業場での作業|1975年10月〜2004年9月
吹付け作業以外では、一定の屋内作業場で行われた作業に係る建設業務が対象で、時期は1975年10月から2004年9月までです。
実際のご相談では、こちらの後者に当てはまる方が多いと思われます。屋内で建設作業をしてアスベストにばく露した心当たりのある方は、時期をご確認ください。
対象とされている職種の例
対象とされている職種の一例です。
- 大工
- 左官
- 鉄骨工
- 溶接工
- 塗装工
- 内装工
- 吹付工
- 解体工
- 配管設備工
- 電工(電気工事士)
- 現場監督
これはあくまで一部で、このほかにも多くの職種が対象とされています。ここに挙がっていない職種でも、「建設業に携わっていた」という心当たりのある方は、ご相談いただくことをおすすめします。
給付金額は病態に応じて550万〜1300万円
病態ごとの金額
給付金額は、病態に応じて550万〜1300万円と定められています。
| 病態 | 給付金額 |
|---|---|
| 石綿肺(じん肺管理区分2・3) | 550万〜950万円(合併症の有無で変わります) |
| 中皮腫・肺がんなど | 1150万円(管理区分4の石綿肺、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚・良性石綿胸水を含む) |
| 死亡の場合 | 1200万〜1300万円 |
石綿肺の場合は、じん肺管理区分のどれに当てはまるかによって金額が決まります。
金額は「最大値」である点に注意
注意点として、上の金額は支給額の「最大値」です。たとえば長年の喫煙習慣がある方の肺がんの場合には1割減額される、といった減額事由が定められています。
実際の金額は病態やご事情によって変わりますので、具体的な金額はご相談のうえで把握いただくのがよいと思います。
労災保険・救済制度と併給できる
片方の認定で「終わり」にしない
建設アスベスト給付金のもう1つのポイントは、他の制度と併給できることです。たとえばすでに労災保険の認定を受けている方でも、対象になる方は建設アスベスト給付金を別途受け取れます。石綿健康被害救済制度との併用も同じです。
片方の認定を受けたからそれで終わり、ではなく、建設業に携わっていたのであれば「建設アスベスト給付金も受け取れるのではないか?」という目で確認してみることが大切です。
申請は労災保険が最優先
なお、複数の制度が使える場合、申請の順番は労災保険が最優先です。各制度の全体像と申請の優先順位は、アスベスト給付金の制度は4つ|どれから申請する?優先順位と併給の可否で解説しています。
この2つに当てはまる方は、ご相談ください
次の2つに当てはまる方は、建設アスベスト給付金の対象になる可能性があります。
- 対象の期間(1972年10月〜2004年9月)に建設の仕事をしていた
- 対象の病気(中皮腫・肺がん・石綿肺・びまん性胸膜肥厚・良性石綿胸水)と診断されている
ご自身だけでなく、ご家族に心当たりがある場合も同じです。当てはまった方は、諦めてしまう前に一度ご相談いただくことをおすすめします。
よくある質問
- 一人親方でも建設アスベスト給付金の対象になりますか?
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対象に含まれます。建設アスベスト給付金は労災保険と違い「労働者」だけが対象ではなく、一人親方や、一定規模以下の中小事業主・法人代表者も対象に含まれます。
- いつ建設業で働いていた人が対象ですか?
-
石綿の吹付け作業に係る建設業務は1972年10月〜1975年9月、一定の屋内作業場で行われた作業に係る建設業務は1975年10月〜2004年9月が対象の時期とされています。
- 給付金額はいくらですか?
-
病態に応じて550万〜1300万円と定められています(石綿肺程度に応じて550万〜1150万円、中皮腫・肺がん・びまん性胸膜肥厚・良性石綿胸水は1150万円、死亡の場合は1200万〜1300万円)。ただしこれは最大値で、喫煙習慣その他の減額事由があります。
- すでに労災保険の認定を受けていますが、建設アスベスト給付金も受け取れますか?
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建設アスベスト給付金は労災保険や石綿健康被害救済制度と併給できる制度で、対象になる方は両方から受け取れます。片方の認定で終わりにせず、対象になるかを確認してみることをおすすめします。
- 自分が対象になるか、どうやって確認すればよいですか?
-
「対象の期間(1972年10月〜2004年9月)に建設の仕事をしていた」「対象の病気と診断されている」の2つに当てはまるかがひとつの目安です。無料診断ツールや無料相談でもご確認いただけます。
まとめ|建設業に携わっていた方は「対象では?」という目で
- 建設業務に従事していたのであれば、労働者だけでなく一人親方・中小事業主も建設アスベスト給付金の対象になり得る
- 給付金額は病態に応じて550万〜1300万円(最大値。喫煙習慣その他の減額事由あり)
- 労災保険・石綿健康被害救済制度と併給できる。片方の認定で終わりにせず、「こちらも対象では?」という目で確認する
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