| 職業/業務内容 | 塗装⼯ |
|---|---|
| 症状 | 間質性肺炎 |
| 現在の状況 | 故⼈ |
| 年齢 | 80代 |
| 勤務形態 | 正社員 |
| ばく露時期 | 昭和39年(1964年)〜昭和62年(1987年) |
| ばく露年数 | 約23年 |
| ばく露した状況 | 建設現場において塗装⼯として従事し、周囲でアスベスト吹付けやアスベスト含有建材の加⼯作業等が⾏われており、それによってアスベストにばく露した。また、塗装作業に⽤いる下地調整材や塗材にアスベストが含有されており、それを取扱うことにより、アスベストにばく露した。 |
| 申請をお勧めした給付金制度 | ① 労災保険 ② 建設アスベスト給付金制度 |
| ご相談者 | 被災者の⼦ |
① ご相談内容
ご相談内容としては、9年程前にお亡くなりになられたお⽗様のアスベスト被害に関してのご相談です。お⽗様は塗装⼯として⻑年勤めていらっしゃって、アスベストにばく露したと思われます。9年程前に直接死因が間質性肺炎という形でお亡くなりになりました。
このような事案においても、アスベストの給付がもらえるのかどうか、ご相談をいただきました。
② 弁護士からのアドバイス
残念ながら、亡くなって5年以上経ってしまっているので、労災保険は全ての給付が消滅時効にかかっており、労災保険は申請することができない状況である旨、ご説明いたしました。
しかし、労災保険の遺族補償給付を消滅時効で失ってしまった⼈を救済する制度として、「特別遺族給付⾦」というものがあり、これを申請することができる可能性があることをご説明いたしました。
労災保険や特別遺族給付⾦の認定にあたってのポイントは、①労働者であるときの業務上ばく露性、②対象疾病ごとの認定基準を満たすことです。
①については、本件では年⾦記録などによって⼗分⽴証ができると考えられました。②については、間質性肺炎という診断名でだけでは労災保険が認定されることはありません。
しかし、対象疾病である⽯綿肺は間質性肺炎の⼀種であり、特にそれ以上診断されず、治療が進んでいき、そのままお亡くなりになってしまうケースがよくあります。そういった場合であっても、⽯綿肺の特徴的な医学所⾒等を収集して意⾒書にまとめることによって、労災保険や特別遺族給付⾦が認定された例があることをご説明して、そこがポイントになる旨、アドバイスしました。
このような活動についてご⾃⾝でやり遂げるのは難しいとのことで、特別遺族給付⾦の申請でご依頼いただきました。
③ 所感・まとめ
⻑年、建設業などでアスベストに暴露している⽅の場合には、アスベストが原因で肺の疾患になっていることが推測されます。
しかし、本件のように、必ずしも治療上必要でないことが影響して、ざっくりとした病名で診断・治療が進むことがあります。そういった場合でも、適切な申請を⾏えば、労災保険や特別遺族給付⾦などが認定されることがあるため、対象となる病気の診断名が付いていないというだけで諦めず、まずは弁護⼠へ早めに相談いただくのがよいと思います。
この記事の監修弁護士

弁護士法人シーライト 副代表弁護士
小林 玲生起
神奈川県弁護士会所属。藤沢生まれ、藤沢育ち。アスベスト給付金申請の代理業務については弁護士向け教材の講師を務めるなど、詳しい知識を持つ。

弁護士法人シーライト 副代表弁護士
小林 玲生起
神奈川県弁護士会所属。藤沢生まれ、藤沢育ち。アスベスト給付金申請の代理業務については弁護士向け教材の講師を務めるなど、詳しい知識を持つ。

